「鼻の頭にできたできものが、ニキビにしては痛すぎます」「触っただけでズキンとして、腫れがどんどん広がってきました」――こうしたご相談で出てくるのが、面疔(めんちょう)と呼ばれるできものです。
先にお伝えすると、これは普通のニキビとは別物です。毛穴に細菌が入って深いところで炎症を起こしているもので、痛みの強さと腫れの広がり方がまったく違います。
そして、いちばん大事なのは潰さないことです。鼻から上唇にかけての範囲は、血管の走り方の関係で、感染が広がると厄介な場所とされています。触りたくなる位置にできるのが、この症状のやっかいなところです。
この記事では、面疔とは何か、ニキビとの見分け方、潰してはいけない理由、オロナインを塗ってよいか、受診の目安、そして繰り返すときの体質までを順に整理しました。
面疔(めんちょう)とは
結論: 鼻や上唇のまわりにできる、痛みの強い化膿したできものです。毛穴の奥に細菌が入って炎症が深くまで及んだ状態で、医学的にはせつと呼ばれるものにあたります。
顔にできるせつを、昔から面疔と呼び分けてきました。呼び名が別に残っているのは、この場所にできたときだけ扱いが変わるためです。
鼻や上唇のまわりにできる
もっとも多いのが鼻の頭と鼻の入り口、次いで上唇の上です。顎や頬にできることもありますが、面疔という言い方をするのは主に顔の中心部分になります。
赤く腫れて、中心に膿の点が見えることが多くあります。押さなくてもズキズキする、顔を動かすだけで響く、というのが典型的な訴えです。顔の中心は血管が奥へつながっているため、昔から慎重に扱われてきた場所です。
普通のニキビとは痛みが違う
ニキビも炎症を起こせば痛みますが、面疔の痛みはそれを超えます。触れなくても脈打つように痛む、夜眠れない、という段階になれば面疔として扱います。
腫れの広がり方も違います。ニキビは点で留まりますが、面疔は周囲まで赤く盛り上がり、境目がはっきりしません。境目がはっきりするかどうかは、鏡で見れば自分でも確かめられます。
読み方と呼び名について
読み方はめんちょうです。ひらがなで検索される方が多いのですが、漢字では面疔と書きます。疔という字は、深く根を張った腫れものを指す古い言葉です。
昔は命に関わる病として恐れられていました。抗菌薬が使える現在、そこまでの事態はまれですが、潰さないという原則だけは当時から変わっていません。言葉としては古いものですが、指している状態は今も同じです。
鼻にできやすい理由
鼻は皮脂の分泌が多く、毛穴も深い場所です。加えて、無意識に触る回数がもっとも多い部位でもあります。手についた細菌が毛穴に入る条件が揃っています。
鼻毛を抜いたあと、マスクでこすれたあと、鼻をかみすぎたあと。この3つの直後にできたというお声をよくいただきます。どれも自分で避けられる条件なので、繰り返す方はここから見直します。
面疔とニキビの見分け方
結論: 痛みの強さ、腫れの広がり、熱を持つかどうか。この3点で分かれます。判断がつかない場合は、面疔として扱うほうが安全です。
| 見るところ | 面疔 | 普通のニキビ |
|---|---|---|
| 痛み | 触れなくてもズキズキ響く | 押すと痛む程度 |
| 腫れ | 周囲まで広がり境目が不明瞭 | 点で留まる |
| 熱感 | 触ると熱い | ほとんどない |
| 経過 | 2日から3日で急に悪化 | ゆっくり変化 |
| 全身症状 | 発熱やだるさをともなうことがある | ない |
痛みの強さで分ける
指で触れずとも痛い、というのが分かれ目です。ニキビは押したときに痛む程度で留まりますが、面疔は何もしていなくても脈に合わせて痛みます。
痛みで眠れない、痛み止めを飲んだという段階なら、様子見の範囲を超えています。痛みは自分で判断できる指標なので、迷ったときの目安として使えます。触れずとも痛いなら、その時点で受診を考える段階です。
腫れの広がり方で分ける
ニキビは境目のはっきりした膨らみですが、面疔は周囲の皮膚まで赤く硬くなります。鼻全体が腫れて見える、まぶたまで腫れてきたという場合は明らかに面疔側です。
急に広がるのも特徴です。前日と比べて明らかに範囲が広がっているなら、経過が速いということになります。毎日同じ時刻に写真を撮っておくと、広がりを客観的に比べられます。
熱を持つかどうか
指の背を当てて、周りの皮膚より熱いと感じるかを見ます。炎症が深いところまで及んでいると、はっきりと熱を持ちます。
発熱やだるさをともなう場合は、体全体に影響が出ている段階です。この時点で受診する判断になります。確かめるときは、反対側の頬など離れた場所と比べます。同じ場所だけを触っていると、差が分かりません。
潰してはいけない理由
結論: 鼻から上唇にかけての範囲は、静脈が頭の内側とつながっているとされる場所です。潰して細菌を押し広げると、まれに重い合併症につながります。
膿が見えていると出したくなりますが、ここだけは自分で触らない場所と決めておくのが確実です。
顔の中心は血管のつながり方が特殊
鼻と上唇を結ぶ三角形の範囲は、静脈が頭蓋内の血管へつながる経路を持つとされ、古くから危険な三角地帯と呼ばれてきました。ここで細菌が血管に入ると、頭の中まで広がる可能性が指摘されています。
抗菌薬がある現在、実際にそこまで進むことはまれです。ただし、まれであっても重いという性質のものなので、あえてリスクを取る理由がありません。
潰すと横に広がる
膿は袋に収まっているのではなく、組織のなかに散らばっています。押し出そうとすると、出るぶんと同じだけ周囲の組織へも押し込むことになります。
翌日にひと回り大きくなった、隣にもう1つできたという経過は、ここから起きています。押し出せば早く治るように見えますが、実際には日数が延びます。触らずに待つほうが、結果として短く済みます。
跡が残る
深いところで炎症を起こしているので、無理に押すと真皮まで傷が及びます。鼻の頭は皮膚が厚く、一度くぼんだ跡が残ると自然には戻りにくい場所です。
数日待てば自然に排出されるものを、急いだために跡にしてしまうのはもったいないところです。跡になってしまうと、戻すには何か月もかかります。数日と何か月では、待つ時間が桁で違います。
すでに潰してしまったとき
慌てる必要はありませんが、その後の経過は注意して見ます。清潔にして、触らず、市販の抗菌成分を含む軟膏を塗って様子を見ます。
腫れが広がる、熱が出る、痛みが強くなる。このどれかが出たら、その時点で受診してください。潰したこと自体を伝えると、経過の見方が変わります。隠さず話すほうが、確かめる範囲が絞れて早く進みます。
オロナインを塗ってよいか
結論: 初期の軽いものには使えますが、腫れが広がっている段階では足りません。塗ることで受診が遅れるのが、いちばん避けたい流れです。
使える場面
赤みが点で留まっていて、痛みが押したときだけという初期の段階なら、消毒成分を含む軟膏として役割があります。清潔にしたうえで、薄く塗ります。
塗ったあとに絆創膏で密閉するのは避けます。ふさぐと湿って細菌が増えやすくなり、逆に働くことがあります。塗る前に手を洗うところまでが手順に含まれます。指で触れる回数が増えるためです。
足りない場面
腫れが広がっている、触れなくても痛い、熱を持っている。この段階では市販の軟膏では追いつきません。菌に直接働く抗菌薬が要る状態です。
3日塗って改善がないなら、そこで切り替えます。塗り続けて1週間経ってから受診する、という流れがいちばん悪化させます。3日という区切りを最初に決めておくと、判断が遅れずに済みます。
塗る前に確かめること
すでに膿の点がはっきり見えていて、周囲が硬く盛り上がっているなら、軟膏で吸収される段階を過ぎています。皮膚科で切開して出すほうが早く、跡も残りにくくなります。
自己判断の目安は3日です。それを超えて悪くなる方向なら、迷わず受診に切り替えます。悪くなる方向かどうかは、痛みと範囲の2つで見ます。どちらかが広がっていれば、待つ側ではありません。
受診の目安
結論: 腫れが広がる、発熱する、目のまわりまで腫れる、3日経っても悪化する。このどれかがあれば皮膚科です。
すぐに受診する状態
以下は、様子を見ずに医療機関へ行っていただく状態です。
- 38度以上の発熱をともなう
- まぶたや頬まで腫れが広がってきた
- 目が見えにくい、目の奥が痛い
- 痛みで眠れない
- 糖尿病の治療を受けている、免疫を抑える薬を飲んでいる
最後の項目は見落とされがちです。もともと感染に弱い状態がある方は、早い段階で受診したほうが結果的に短く済みます。
何科にかかるか
皮膚科です。耳鼻咽喉科でも診てもらえますが、皮膚の感染としては皮膚科が本筋になります。
鼻の穴の中にできている場合は、耳鼻咽喉科のほうが処置しやすいことがあります。位置によって選び分けます。どちらにかかるか迷ったら、まず皮膚科で構いません。位置によって耳鼻咽喉科を紹介されることもあります。受診が遅れるほうが問題なので、科の選択で迷って先延ばしにしないほうが確実です。
病院で行われること
抗菌薬の内服か外用が中心です。膿が溜まっていれば、清潔な環境で切開して出します。自分で潰すのと違い、押し広げずに済みます。
痛みが強い場合は痛み止めも出ます。多くは処置と抗菌薬で3日から7日ほどで落ち着きます。抗菌薬は、症状が軽くなっても最後まで飲みきります。途中でやめると、残った菌が再び増えることがあります。
自分でできる手当て
結論: 触らない、清潔にする、こすらない。この3つに尽きます。積極的に何かをするより、悪くする要因を外すほうが早く治ります。
触らない工夫
無意識に触ってしまうのがいちばんの問題です。気になるときは鏡を見ない、手を洗う回数を増やす、視界から外す。この3つで回数が減ります。
寝ているあいだに触れる、枕にこすれるという場合は、枕カバーを毎日替えます。横向きで寝る癖がある方は、患部が下にならない向きで寝るという工夫もできます。清潔なタオルを枕に重ねておく形でも構いません。
温めるか冷やすか
痛みが強く熱を持っている段階では、冷やすと楽になります。保冷剤をタオルで包んで数分あてる程度で足ります。
腫れが落ち着いてきて、膿が出口に向かっている段階では、温めるほうが排出を助けます。段階によって逆になるので、熱感があるかどうかで判断します。迷ったら、触れて熱いうちは冷やす側と覚えておけば足ります。
洗い方
洗顔料を泡立てて、こすらずに泡で包む形で洗います。1日2回まで。洗いすぎると皮膚のバリアが落ちて、かえって菌が入りやすくなります。
タオルは押し当てて水分を取り、こすりません。タオルそのものも毎日替えます。洗顔料が残らないよう、すすぎは丁寧に行います。ぬるま湯のほうが刺激が少なく、熱い湯は皮脂を落としすぎます。
メイクとマスク
炎症が強いあいだは、その部分にメイクをのせないほうが早く落ち着きます。ファンデーションが毛穴に入ると排出の妨げになります。
マスクは、こすれる位置に来ると悪化させます。サイズを見直すか、不織布から肌当たりのやわらかいものへ替えると刺激が減ります。1日の途中で交換すると、湿りがこもるのも防げます。汗をかいた日はとくに変えるほうが確実です。
繰り返すときに考えること
結論: 触る癖、鼻毛の処理、免疫の落ち込み、背景にある病気。同じ場所に何度もできる場合は、この4つを順に確かめます。
鼻を触る癖と鼻毛の処理
鼻を触る回数が多い方は、それだけで条件が揃います。鼻毛を抜くのは特に危険で、毛穴に直接傷をつけて菌の入り口を作ります。
処理するならハサミか専用の器具で、抜かずに切ります。この1点を変えただけで繰り返さなくなった、という方は珍しくありません。毛穴に傷を作らないという一点が、いちばん確実な予防になります。
免疫が落ちている時期
睡眠不足、疲労の蓄積、大きな負荷がかかった時期に出やすくなります。同じ菌が皮膚にいても、こちら側の状態で結果が変わります。
繰り返す時期と忙しさが重なっていないか、振り返ってみる価値があります。睡眠を7時間まで戻せない時期であれば、起きる時刻だけをそろえるという手もあります。できたときの記録を残しておくと、次に繰り返したときの手がかりになります。
背景にある病気
何度も繰り返す、複数箇所に同時にできる、治りが極端に遅い。この場合は、糖尿病など感染に弱くなる状態が背景にある可能性があります。
健康診断で血糖値を指摘されたことがあるなら、内科で確かめる段階です。皮膚だけを見ていても解決しません。繰り返す回数と時期を書き留めておくと、相談の場で材料になります。年に何回できたかという数字があれば、話が早く進みます。
漢方から見た面疔
結論: 熱と毒がこもった状態と捉えます。急性期は熱を冷まして膿を出す方向、繰り返す場合は溜め込みやすい体質を変える方向で、使う漢方薬が変わります。
| 状態 | 現れ方 | 向かう方向 |
|---|---|---|
| 熱毒がこもる | 赤く腫れて熱く痛む、急性期 | 熱を冷まし膿を出す |
| 湿熱がある | 脂っぽい肌、繰り返す、便が硬い | 余分な熱と湿を下ろす |
| 気血が足りない | 治りが遅い、疲れやすい、色が薄い | 補って治る力を上げる |
熱毒がこもった急性期
赤みが強く、熱を持ち、痛みが激しい状態です。漢方では熱と毒が一か所に集まったと考え、それを冷まして外へ出す方向で対応します。
この段階では抗菌薬が主役で、漢方薬は補助に回ります。並行して使うことで、腫れが引くまでの日数が短くなることがあります。どちらか一方を選ぶ場面ではありません。役割が違うので、並行して構いません。
湿熱がたまっている
脂っぽい肌、便が硬い、口が苦い、繰り返しできる。この形は、体に余分な熱と湿がこもっている状態です。
急性期を過ぎてから、この体質そのものを変える方向へ切り替えます。繰り返す方に対しては、ここがいちばん重要な段階になります。切り替える時期の目安は、痛みと腫れが引いてからです。急性期のうちに体質の話を進めても、届きません。
気血が足りていない
腫れの色が薄い、なかなか膿にならない、治りが遅い、疲れやすい。この形は、押し出す力そのものが足りていません。
冷ます方向の漢方薬を使うと、かえって治りが遅くなります。補う方向へ反転させる判断が要る形です。見分ける手がかりは、腫れの色と治るまでの日数です。赤みが強く数日で膿になるなら熱の側、色が薄く2週間かかるなら不足の側になります。
体質別に選ぶ漢方薬
結論: 急性期で膿が出きらないなら排膿散及湯、繰り返すなら十味敗毒湯、鼻の奥から慢性化しているなら荊芥連翹湯、赤みと熱が強いなら黄連解毒湯です。
排膿散及湯|膿が出きらないとき
化膿しているのに排出されない状態に使います。排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の添付文書には、効能・効果として「患部が発赤、腫脹して疼痛を伴った化膿症、癰、癤、面疔、その他癤腫症」と記載されています(医薬品医療機器総合機構 添付文書情報)。面疔という語が、そのまま対象として挙げられている漢方薬です。
急性期に抗菌薬と並行して使われることがあります。腫れが引いてきたら、そこで役目は終わります。
十味敗毒湯|繰り返すとき
化膿しやすい体質そのものに向けて使う漢方薬です。十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、こもった熱と湿を外へ出す方向に働きます。
急性期の1本というより、落ち着いてから90日ほどかけて繰り返さない状態を作るための一剤になります。見る指標は、月に何回できたかという回数のほうになります。
荊芥連翹湯|鼻の奥から慢性化しているとき
鼻づまりや副鼻腔の重さをともない、鼻のまわりの炎症が慢性化している形にはこちらです。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、顔の上のほうにこもった熱を冷ます方向に働きます。
もともと蓄膿の傾向がある方が繰り返す場合、この方向のほうが噛み合います。鼻の状態と皮膚の状態を同時に扱う組み立てになっています。
黄連解毒湯|赤みと熱が強いとき
顔が赤く、のぼせやすく、イライラをともなう。熱が強く出ている形には黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を使います。
苦味の強い漢方薬で、冷ます力も強い構成です。冷えのある方や胃腸が弱い方には向かないので、そこは体格と便通で判断します。長く続けるものではなく、赤みと熱が強い時期に絞って使う形になります。落ち着いたところで、繰り返さない状態を作る組み立てへ移します。
治るまでの日数の目安
結論: 抗菌薬を使った場合、痛みが引くのが2日から3日、腫れが収まるのが7日前後、赤みが消えるまでが14日から30日という順です。
3日で痛みが引く
適切な治療が始まれば、痛みは比較的早く軽くなります。ここが動かない場合、薬が合っていないか、膿が溜まったままかのどちらかです。
3日目に判断する、という区切りを最初に決めておくと、遅れずに済みます。痛みの強さを10段階で書き留めておくと、比べやすくなります。記憶だけで振り返ると、強かった日の印象に引っ張られます。
7日で腫れが引く
膿が出るか吸収されると、腫れが落ち着いてきます。この段階になれば触れても痛くなくなります。
まだ赤みは残りますが、経過としては順調です。ここで気を抜いて触ると、また戻ります。触らない期間は、腫れが引いてからも続ける必要があります。抗菌薬が出ている場合は、症状が軽くなっても最後まで飲みきります。途中でやめると、残った菌が再び増えることがあります。
赤みと跡は14日から30日
炎症の跡としての赤みは、しばらく残ります。潰さずに済んだ場合、多くは30日ほどで目立たなくなります。
くぼみとして残ってしまった場合は、時間がかかります。潰さないことが、この段階への最大の予防になります。赤みが残っている時期は、紫外線を避けるほうが色素が残りにくくなります。日焼け止めを塗る、帽子をかぶるという程度で構いません。
改善症例|面疔を繰り返さなくなった2例
結論: 以下は当薬局でお受けしたご相談の経過です。どちらも、急性期の治療と、繰り返さない体質づくりを分けて進めています。
30代前半・遼平さん|鼻毛の処理を変えて止まった
ご相談時の状態: 半年のあいだに鼻の入り口の面疔を4回繰り返していました。そのたびに皮膚科で抗菌薬をもらって治るものの、30日から60日でまたできるという状態です。脂っぽい肌質で、便が硬めでした。
組み立て: 話を伺うなかで、鼻毛を毎回抜いていることが分かりました。ハサミで切る方法へ変えていただき、あわせて体質側に十味敗毒湯を90日入れています。揚げ物と甘いものを減らすことも並行させました。
経過: 処理の方法を変えてから、新しい面疔はできていません。90日時点で肌の脂っぽさも落ち着き、便通も整いました。半年後の時点でも再発はないとのことです。
20代後半・帆乃さん|潰してしまってから長引いた
ご相談時の状態: 鼻の頭にできたものを自分で潰してしまい、その後14日腫れが引かない状態で来局されました。皮膚科で抗菌薬は出ていましたが、赤みと硬さが残っていました。疲れが溜まりやすく、顔色も優れない方でした。
組み立て: 押し出す力が足りていない形と判断し、補う方向で組み立てました。医師の治療を続けたうえで、排膿散及湯を14日、そのあと体力を支える方向へ切り替えています。触らないこと、枕カバーを毎日替えることも並行させました。
経過: 14日で硬さが取れ、30日で赤みがほぼ消えました。くぼみがわずかに残りましたが、半年後には気にならない程度になっています。潰さなければもっと早かった、というのがご本人の感想でした。
よくある質問
Q. 面疔(めんちょう)とニキビはどう違いますか?
A. 痛みの強さと腫れの広がり方が違います。ニキビは押すと痛む程度で点に留まりますが、面疔は触れなくてもズキズキ痛み、周囲まで赤く硬く広がります。触ると熱を持っているのも面疔側の特徴です。
Q. 潰して膿を出してもよいですか?
A. 潰さないでください。鼻から上唇にかけての範囲は静脈が頭の内側とつながるとされ、細菌を押し広げるとまれに重い合併症につながります。膿は押し出そうとしても周囲へ散るだけで、跡も残りやすくなります。
Q. オロナインを塗っても大丈夫ですか?
A. 赤みが点で留まっている初期なら使えます。ただし腫れが広がっている、触れなくても痛い、熱を持っているという段階では足りません。3日塗って改善しないなら、皮膚科へ切り替える段階です。
Q. 何科を受診すればよいですか?
A. 皮膚科です。鼻の穴の中にできている場合は、耳鼻咽喉科のほうが処置しやすいことがあります。38度以上の発熱、まぶたまで広がる腫れ、目の奥の痛みがあれば、その日のうちに受診してください。
Q. 治るまでどのくらいかかりますか?
A. 抗菌薬を使った場合、痛みが引くのが2日から3日、腫れが収まるのが7日前後、赤みが消えるまでが14日から30日という順番です。3日経っても痛みが変わらない場合は、薬が合っていないか膿が溜まったままの可能性があります。
Q. 何度も繰り返します。体質の問題でしょうか?
A. 触る癖と鼻毛の処理をまず確かめてください。抜く処理は毛穴に傷をつけるので、それだけで繰り返す原因になります。そのうえで、脂っぽい肌や便秘をともなうなら十味敗毒湯などで体質側を整えます。治りが極端に遅い場合は、血糖値を含めた内科的な確認も必要です。
Q. 漢方薬だけで治せますか?
A. 急性期は抗菌薬が主役です。腫れて熱を持っている段階で漢方薬だけに頼るのは勧めていません。漢方薬が力を発揮するのは、急性期を越えたあとの、繰り返さない状態を作る段階になります。
まとめ|急性期は皮膚科、繰り返す段階で体質を変える
面疔は、鼻や上唇のまわりにできる痛みの強い化膿したできものです。普通のニキビとは別物として扱います。
- 触れなくてもズキズキ痛む、周囲まで腫れる、熱を持つのが見分け方
- 鼻から上唇の範囲は血管のつながり方が特殊で、潰すと広がる
- オロナインは初期のみ。3日で改善しなければ皮膚科へ
- 発熱、まぶたの腫れ、目の奥の痛みがあればその日のうちに受診
- 繰り返す原因は、触る癖と鼻毛を抜く処理であることが多い
- 急性期は排膿散及湯、繰り返す段階は十味敗毒湯や荊芥連翹湯
- 痛みは3日、腫れは7日、赤みは14日から30日で引く
最初に手をつけるなら、鼻毛を抜く処理をやめてハサミに替えるところからです。費用も手間もかからず、繰り返しの原因としてはいちばん多いところです。逆に、膿が見えているからと押し出す方向は勧めていません。
繰り返してしまう場合は、れいわ漢方薬局へお気軽にご相談ください。肌質、便通、疲れ方まで含めて、できにくい状態をどう作るか一緒に整理します。


