内臓からくる口臭は肝臓より胃腸が多い|息が臭いときの見分け方と漢方薬

内臓からくる口臭は肝臓より胃腸が多い|息が臭いときの見分け方と漢方薬 口臭

歯もちゃんと磨いている。歯科でも問題ないと言われた。それなのに息が臭う気がする。そうなると、次に疑うのは体の中です。「肝臓が悪いのではないか」と調べてこられる方が、たいへん多くいらっしゃいます。

気になる口臭、体の内側から整えませんか?

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ただ実際のところ、肝臓が原因で口臭が出るのは、かなり進んだ肝機能障害の場合に限られます。脂肪肝の段階では、口臭は出ません。内臓からくる口臭で圧倒的に多いのは、胃と腸のほうです。れいわ漢方薬局の薬剤師が、どの臓器からどんな臭いが出るのか、その見分け方と体質別の漢方薬を整理します。

  1. 内臓からくる口臭はどれくらいあるのか
    1. まず口の中を疑うのが順番
    2. 内臓由来を疑ってよい条件
    3. 歯科で問題なしと言われた後が出発点
  2. 肝臓が原因の口臭は、どんな臭いか
    1. 肝性口臭はカビのような臭い
    2. 脂肪肝では口臭は出ない
    3. 肝臓が疑わしいときに出る他の症状
  3. 胃が原因の口臭
    1. 胃と口はつながっていない、という前提
    2. 消化が滞ると臭いが生まれる
    3. ピロリ菌がいる場合
  4. 腸が原因の口臭
    1. 便のような臭いがするとき
    2. 便秘でなくても腸が関わることがある
  5. 内臓別の見分け方
    1. 臭いの質と症状で分ける
    2. 出るタイミングでも分かる
  6. 東洋医学から見た内臓と口臭
    1. 胃熱|食べすぎからくる熱
    2. 肝鬱化火|ストレスから生じる熱
    3. 湿熱|粘った熱が下に溜まる
  7. 体質別に使い分ける漢方薬
    1. 胃に熱がこもっているなら黄連解毒湯
    2. 胃がもたれて音が鳴るなら半夏瀉心湯
    3. 湿熱が下に溜まっているなら竜胆瀉肝湯
    4. 便秘が背景にあるなら、まず便通から
  8. 医療機関を先にすべきサイン
    1. 受診を優先する状態
  9. 食事と生活で変えること
    1. 減らしたほうがよいもの
    2. 増やしたいもの
    3. 食べる量と時間を変える
  10. 改善症例|脂肪肝を指摘され口臭を心配していた50代男性
  11. 内臓からくる口臭についてのよくある質問
    1. Q. 肝臓が悪いと口臭がするというのは本当ですか?
    2. Q. 脂肪肝を治せば口臭も消えますか?
    3. Q. 胃薬を飲めば内臓の口臭は消えますか?
    4. Q. 内臓が原因か口の中が原因か、自分で分かりますか?
    5. Q. 漢方薬はどのくらいで効きますか?
  12. まとめ|疑う順番を間違えない

内臓からくる口臭はどれくらいあるのか

結論: 口臭の原因の大半は口の中にあります。内臓由来は限られた割合で、そこにたどり着く前に確かめるべきことがあります。

まず口の中を疑うのが順番

口臭の原因として最も多いのは、歯周病と舌の上に溜まる舌苔(ぜったい)です。この2つで大部分を占め、内臓の不調が原因となるのは全体から見ればごく一部にとどまります。

順番を飛ばして内臓を疑いはじめると、いつまでも解決しません。まず歯科で歯周病の有無を確認し、舌の掃除を1週間続けてみる。それでも残る臭いが、はじめて内臓を考える対象になります。舌の状態については舌が白いのは胃腸が原因?直し方と改善する食べ物・漢方薬で扱っています。

内臓由来を疑ってよい条件

次の条件がそろったときに、はじめて体の中を考えます。対象となるのは、こうした状況の方です。

  • 歯科で歯周病もむし歯も指摘されなかった
  • 舌の掃除を1週間続けても変わらない
  • 起床時だけでなく、日中も臭いが続く
  • 食後に強くなる、または空腹時に強くなるという偏りがある
  • 便通・胃の不快感・疲れやすさなど、口以外の症状が同時にある

とくに最後の項目が重要です。内臓が原因であれば、口だけに症状が出るということはまずありません。体のどこかに、必ず別のサインが出ています。逆に言えば、口以外はまったく健康で不調がひとつもないという方の口臭は、内臓由来である可能性が低くなります。

この条件がそろわないうちに漢方薬を飲みはじめても、原因の外側を触っていることになります。順番を守ることが、遠回りに見えていちばん早い道です。

歯科で問題なしと言われた後が出発点

歯科で異常なしと言われた時点で、多くの方は行き場を失います。耳鼻科なのか、内科なのか、どこに行けばよいのか分からない。この段階で相談に来られる方が、いちばん多い層です。

ここで手がかりになるのが、臭いの質と、同時に出ている症状です。臭いの種類によって、疑うべき場所はかなり絞り込めます。酸っぱいのか、便のようなのか、カビのようなのか。この違いは、どこで何が起きているかをそのまま映しています。

自分の口臭がどんな臭いなのかは、自分では分かりにくいものです。手のひらに息を吹きかけて嗅ぐ方法は当てになりません。コップに息を吐いて蓋をし、10秒ほど置いてから嗅ぐほうが、まだ実際に近い形で確かめられます。

肝臓が原因の口臭は、どんな臭いか

結論: 肝性口臭と呼ばれるものは、カビやネズミのような独特の臭いです。ただしこれは肝硬変など重い肝機能障害のときに出るもので、脂肪肝では出ません。

肝性口臭はカビのような臭い

肝臓の働きが大きく落ちると、本来は肝臓で処理されるはずの物質が血液中に残り、肺を通って息に出てきます。この状態を肝性口臭と呼び、カビ臭い、ネズミのような臭い、甘酸っぱいといった表現がされます。

これは硫黄を含む化合物によるもので、口の中の臭いとは質が違います。歯磨きをしても、うがいをしても変わらないのが特徴です。ただし、この臭いが出るのは肝機能がかなり低下した段階に限られます。

脂肪肝では口臭は出ない

「脂肪肝 口臭」という調べ方をされる方が多くいますが、脂肪肝そのものが口臭を作ることはありません。脂肪肝は肝臓に脂肪が溜まった状態で、この段階では肝臓の解毒の働きは保たれています。

では、なぜ脂肪肝を指摘された方に口臭の悩みが多いのか。理由は、脂肪肝を作る生活習慣と、口臭を作る生活習慣が重なっているからです。食べすぎ、飲みすぎ、脂ものの多い食事、運動不足。これらは胃腸に負担をかけ、そちらの経路で口臭を生みます。肝臓は原因ではなく、同じ生活習慣が生んだ別の結果という関係です。

肝臓が疑わしいときに出る他の症状

肝性口臭が出るような状態であれば、口臭より先に別の症状が現れています。白目が黄色くなる、皮膚が黄色っぽくなる、手のひらが赤くなる、お腹が張る、極端に疲れやすい。

こうした症状がなく、健康診断の肝機能の数値も大きく外れていないのであれば、口臭の原因を肝臓に求める必要はありません。数値だけが少し高いという段階なら、その心配は保留にしてよい範囲です。

胃が原因の口臭

結論: 胃酸の逆流と、胃の中に食べ物が長く留まる状態が、口臭の原因になります。ただし胃そのものから臭いが上がってくるわけではありません。

胃と口はつながっていない、という前提

胃の入り口には弁があり、普段は閉じています。だから、胃の中の臭いがそのまま口まで上がってくることは基本的にありません。げっぷをしたときだけ、一時的に上がってきます。

胃が原因の口臭というのは、正確には胃酸が食道まで逆流している状態を指します。逆流性食道炎がある方に口臭が出るのはこの経路です。酸っぱい臭い、胸やけ、朝の口の苦さが同時に出ていれば、この可能性を考えます。

消化が滞ると臭いが生まれる

もうひとつの経路が、消化の滞りです。食べたものが胃の中に長く留まると、そこで発酵が進みます。発生したガスは血液に吸収され、肺を経由して息に出ます。

食べすぎた翌日に息が臭う、脂ものを食べた日の夜から臭いが出るというのは、この経路によるものです。胃薬で一時的に楽になっても繰り返す場合は、胃の動きそのものが落ちている可能性があります。詳しくは胃からくる口臭を消す方法|市販薬・胃薬とヨーグルトは効くのかにまとめました。

ピロリ菌がいる場合

ピロリ菌に感染していると、胃の中でアンモニアが作られます。これが口臭の原因になることがあり、独特のツンとした臭いとして感じられます。

除菌治療で臭いが消えたという報告もあるため、胃の不快感が長く続いている方は、一度検査を受ける価値があります。あわせて胃がんのリスクを下げるという意味でも、40代以降で未検査の方には確認をおすすめします。

腸が原因の口臭

結論: 便秘が続くと、腸で発生したガスが血液に吸収され、息として出てきます。内臓由来の口臭では、この経路がいちばん多く見られます。

便のような臭いがするとき

排便が滞ると、腸の中で内容物が発酵し、臭いのもとになるガスが発生します。本来は便と一緒に出ていくものですが、行き場がなくなると腸壁から血液に吸収されます。血液に乗ったガスは全身を回り、肺でガス交換されるときに息へ出ます。

便のような臭いがすると感じる方は、まず便通を確認してください。3日以上出ていない日が続いているなら、そこが原因である可能性がかなり高くなります。詳細は口臭がうんちの臭いのはなぜ?便秘以外の原因と漢方薬での改善法で扱っています。

便秘でなくても腸が関わることがある

毎日出ているから腸は関係ない、と思われがちですが、そうとも限りません。出ていても残便感がある、便が細い、においが強いという場合は、腸内の状態が乱れている可能性があります。

腸内の細菌のバランスが崩れると、悪臭のもとになる物質を作る菌が増えます。この場合、便の回数ではなく質を見ることになります。硬くて出しにくい、においが以前より強くなった、水に沈む。こうした変化があれば、回数が足りていても腸の状態は乱れています。

抗生物質を飲んだ後、旅行や引っ越しの後、食生活が大きく変わった後。こうしたきっかけの後から臭いが気になりはじめたのであれば、腸内の環境が変わったところが起点になっている可能性があります。

内臓別の見分け方

結論: 臭いの質と、同時に出ている症状の組み合わせで、どこが関わっているかはかなり絞り込めます。

臭いの質と症状で分ける

臭いの質は、原因を絞り込むうえで最も情報量の多い手がかりです。同じ内臓由来でも、胃と腸と肝臓では出てくる物質が違うため、感じ方も変わります。自分の状態を、次の表と照らし合わせてみてください。複数当てはまる場合は、同時に出ている症状の数が多いほうを優先します。臭いの記憶はあいまいなので、家族に確かめてもらえるなら、そのほうが正確です。

臭いの質 疑う場所 同時に出る症状
酸っぱい 胃・食道 胸やけ・げっぷ・朝の口の苦さ
便のよう 便秘・お腹の張り・残便感
卵の腐ったよう 口の中 歯ぐきの腫れ・舌が白い
アンモニア臭 腎臓・胃 むくみ・尿の変化・胃の不快感
カビ・ネズミのよう 肝臓 白目が黄色い・強い倦怠感
甘い・果物のよう 糖代謝 のどの渇き・体重減少・多尿

下の2つが当てはまる場合は、漢方薬より先に医療機関です。とくに甘い臭いは血糖の管理に関わる状態を示すことがあり、放置しない領域になります。

出るタイミングでも分かる

いつ強くなるかも、手がかりになります。食後30分から2時間で強くなるなら胃、空腹時や夕方に強くなるなら腸、起床時だけなら口の中の乾燥。この3つの分け方だけでも、ずいぶん絞り込めます。

1週間、時間帯と食事内容を記録してみると、自分の型が見えてきます。臭いは自分では分かりにくいため、家族に協力してもらうか、コップに息を吐いて嗅ぐという方法をとります。

東洋医学から見た内臓と口臭

結論: 東洋医学では、口臭を体にこもった熱と滞りの表れと見ます。どこに熱があるかで、選ぶ漢方薬が変わります。

胃熱|食べすぎからくる熱

胃に熱がこもった状態を胃熱(いねつ)と呼びます。食べすぎ、脂もの、辛いもの、アルコールが続くと生じます。熱は上に昇る性質があるため、口や喉に症状が出ます。

胃熱の型では、口が乾く、冷たいものを欲しがる、歯ぐきが腫れやすい、便が硬いといった所見が並びます。口臭は強く、食後にいっそう目立ちます。舌を見ると全体が赤く、黄色い苔がついていることが多くあります。

食べる量そのものが多い方に出やすい型です。量を減らすだけで熱の元が減るため、漢方薬を使う前にそこから手をつけたほうが早い場合もあります。

肝鬱化火|ストレスから生じる熱

思い通りにならない状態が続くと、気の巡りが滞ります。滞った気は熱に変わり、これを肝鬱化火(かんうつかか)と呼びます。西洋医学でいう肝臓の病気とは別の概念です。

この型では、口が苦い、イライラする、脇腹が張る、目が充血するといった所見が出ます。緊張したときに口臭が強くなるという方は、この経路が関わっていることがあります。詳しくは緊張すると口が臭うのはなぜ?ストレス口臭を整える漢方薬の働きで扱っています。

湿熱|粘った熱が下に溜まる

湿と熱が合わさった状態を湿熱(しつねつ)と呼びます。体が重だるい、舌に黄色く厚い苔がつく、便がすっきり出ない、においが強いという特徴があります。

飲酒の習慣がある方、脂ものが多い方に出やすい型です。脂肪肝を指摘されている方の口臭は、東洋医学でいえばこの湿熱に当てはまることが多く、そこが実質的な原因になります。

体質別に使い分ける漢方薬

結論: 熱がどこにあるかで選ぶものが変わります。同じ口臭でも、胃熱と肝の熱では正反対の方向になることがあります。

胃に熱がこもっているなら黄連解毒湯

顔が赤く、のぼせやすく、便が硬い。この型には黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が候補になります。体にこもった熱を直接冷ます組み立てで、口臭とともに歯ぐきの腫れや口内炎がある方に向きます。黄連解毒湯の煎じ薬の購入はこちら▶

ただし冷やす力が強いため、胃腸が弱く冷えのある方が飲むと下痢をします。あくまで熱の実態がある方に使うもので、長期に漫然と続けるものではありません。

胃がもたれて音が鳴るなら半夏瀉心湯

みぞおちがつかえる、お腹がゴロゴロ鳴る、下痢と便秘を繰り返す。この型には半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を使います。温める生薬と冷やす生薬が同居した構成で、胃の上下の交通を整えます。半夏瀉心湯の煎じ薬の購入はこちら▶

胃が原因の口臭では、この漢方薬が使われる場面が最も多くあります。ストレスで胃に来るタイプの方にも向きます。詳しくは半夏瀉心湯で口臭を改善|胃の不調から来る臭いへの効力にまとめました。

湿熱が下に溜まっているなら竜胆瀉肝湯

体が重だるく、舌に黄色く厚い苔があり、飲酒の習慣がある。この型には竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)を使うことがあります。粘った熱を下から抜く方向の漢方薬です。竜胆瀉肝湯の煎じ薬の購入はこちら▶

体力があってがっしりしており、脂ものが多い食生活の方には大柴胡湯(だいさいことう)が合う場合もあります。どちらも作用が強めなので、体力のない方には使いません。

便秘が背景にあるなら、まず便通から

腸が原因の型では、漢方薬で口臭を抑えようとするより、便通を整えるほうが早く結果が出ます。3日出ていない状態が続いていれば、そこを動かすだけで臭いは変わります。

食物繊維と水分を増やす、朝に決まった時間トイレに座る、といった生活の側でできることも多くあります。それでも動かない場合に、腸を潤す方向や動かす方向の漢方薬を選びます。

医療機関を先にすべきサイン

結論: 次のような症状がある場合は、漢方薬より先に受診してください。口臭が体の重い変化を知らせていることがあります。

受診を優先する状態

以下に該当する場合は、内科で相談する順番になります。

  • 白目や皮膚が黄色い(肝臓の働きが落ちている可能性)
  • 甘い、または果物のような臭い(血糖の管理に関わる状態)
  • アンモニア臭が強く、むくみや尿量の変化がある(腎臓の働き)
  • 体重が意図せず減っている
  • 血の混じった痰や、飲み込みにくさがある

これらは、口臭という症状のなかでは例外的な位置にあります。当てはまらない方がほとんどですが、当てはまる場合は急ぐ理由があります。口臭そのものより、その背後にある状態のほうが問題になるためです。

漢方薬を飲みながら受診を先延ばしにする、という形はとらないでください。原因が分かってからであれば、体を整える目的で並行して使うことはできます。

食事と生活で変えること

結論: 内臓由来の口臭では、減らすものより整える順番のほうが効きます。便通と食べる量が土台になります。

減らしたほうがよいもの

熱と湿を作りやすいものを、2週間だけ控えてみる形が試しやすいです。

  • アルコール(湿熱を最も作りやすい)
  • 脂ものと揚げ物
  • 辛いものと熱いもの
  • 甘い飲み物

アルコールを最初に挙げたのには理由があります。飲酒は体に湿と熱を同時に作り、さらに睡眠の質を落として口の乾燥も招きます。ひとつで3つの経路に影響する、という点で影響が大きい習慣です。

全部を一度にやめる必要はありません。1つずつ減らして2週間ずつ様子を見るほうが、自分に何が影響しているかが分かります。

増やしたいもの

便通を助ける食物繊維と、水分です。1日1.5リットルを目安に、こまめに分けて飲みます。一度に大量に飲むと吸収されずに出ていくため、コップ1杯を8回に分けるほうが体に残ります。

大根、かぶ、キャベツといった消化を助ける食材も、胃の停滞がある方には向きます。飲み物の選び方は口臭を消す飲み物はどれ?効くお茶と、かえって臭う飲み物で扱っています。

食べる量と時間を変える

内臓由来の口臭で最も効くのは、実は食べる量を減らすことです。胃に負担がかからなければ、滞りは生まれません。とくに夜遅い食事は、寝ている間の消化を妨げます。

就寝の3時間前までに食べ終える。それだけで朝の口臭が変わったという方が、少なからずいます。夜勤や残業で難しい場合は、夜の食事を軽くして、翌朝にしっかり食べるという入れ替えでも構いません。

腹八分という言い方が昔からありますが、口臭に関してはこれがそのまま当てはまります。胃に余裕があれば発酵は起きず、腸まで滞りなく進みます。何かを足すより、量を引くほうが効くという場面です。

改善症例|脂肪肝を指摘され口臭を心配していた50代男性

健康診断で脂肪肝と肝機能の数値の上昇を指摘され、家族から息が臭うと言われるようになったという50代の方が来られました。肝臓が悪いから口臭が出ているのではないか、というご相談です。

伺うと、飲酒はほぼ毎日で、締めにラーメンを食べる習慣がある。便は2〜3日に1回で、出ても残便感がある。体が重だるく、朝の目覚めが悪い。舌を見ると、全体に黄色く厚い苔がついていました。東洋医学でいう湿熱の型です。

まずお伝えしたのは、脂肪肝そのものが口臭を作っているわけではないという点でした。そのうえで、竜胆瀉肝湯を1日2回。あわせて、飲酒を週4日までに減らすこと、締めのラーメンをやめること、朝に水をコップ1杯飲むことをお願いしました。

3週間で便通が毎日になり、1か月半で舌の苔が薄くなりました。家族から臭いを指摘されることもなくなっています。半年後の健康診断では肝機能の数値も下がっていました。口臭も肝機能も、同じ生活習慣の結果として一緒に動いたという例です。

内臓からくる口臭についてのよくある質問

Q. 肝臓が悪いと口臭がするというのは本当ですか?

本当ですが、それは肝硬変のように肝機能が大きく落ちた場合です。カビやネズミのような独特の臭いとして出ます。健康診断で数値が少し高いという段階や、脂肪肝と言われただけの状態では、この臭いは出ません。

Q. 脂肪肝を治せば口臭も消えますか?

脂肪肝そのものが口臭の原因ではないため、直接の因果関係はありません。ただし脂肪肝を改善する生活習慣、つまり飲酒を減らし脂ものを控えることは、胃腸の負担を減らすため結果として口臭も軽くなります。同じ方向を向いた取り組みになります。

Q. 胃薬を飲めば内臓の口臭は消えますか?

一時的には軽くなることがありますが、原因が残っていれば戻ります。胃薬は胃酸を抑えたり動きを助けたりするもので、食べすぎや飲みすぎという背景そのものには手が届きません。繰り返す場合は、体質の側から見直す段階です。

Q. 内臓が原因か口の中が原因か、自分で分かりますか?

完全な判別は難しいのですが、目安はあります。歯科で問題なしと言われ、舌の掃除を1週間続けても変わらず、便通や胃の不快感など口以外の症状が同時にあるなら、内臓由来の可能性が高くなります。逆に、起床時だけ強く日中は気にならないなら、口の中の乾燥が主因です。

Q. 漢方薬はどのくらいで効きますか?

胃腸の状態が変わりはじめるのに2〜4週間、口臭として実感できるまでに1〜2か月というのが目安です。便秘が背景にある場合は、便通が動いた時点で臭いも変わるため、もっと早く感じられることがあります。

まとめ|疑う順番を間違えない

内臓からくる口臭を考えるとき、押さえておきたいのは次の点です。

  • 口臭の原因の大半は口の中。歯周病と舌苔を先に確かめる
  • 肝臓が原因の口臭は、肝硬変レベルのとき。脂肪肝では出ない
  • 脂肪肝の方に口臭が多いのは、原因ではなく同じ生活習慣の結果
  • 内臓由来でいちばん多いのは腸。便秘が3日続いていればそこを疑う
  • 胃が原因の場合は、逆流か消化の滞りのどちらか
  • 臭いの質と、出るタイミングで場所はかなり絞り込める
  • 黄色い白目・甘い臭い・強いアンモニア臭は、漢方薬より先に受診

肝臓を疑って調べてこられた方の多くが、実際には胃腸の側に原因を持っています。そちらは生活と漢方薬で動かせる領域なので、分かればむしろ道筋は立てやすくなります。

れいわ漢方薬局では、臭いの質と便通、舌の状態を伺ったうえで、体質に合う漢方薬をご提案しています。歯科で問題なしと言われたまま行き場を失っている方は、一度ご相談ください。

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れいわ漢方薬局 無料漢方相談(来店・ビデオ通話・LINEチャット)
執筆者 濵田篤秀(薬剤師)

執筆者:濵田 篤秀

れいわ漢方薬局 渋谷店 薬剤師/博士(医学)

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