歯を磨いても、うがいをしても、喉の奥から上がってくるようなにおいが消えない。胃が腐っているのではないかとまで感じる。こうした相談は、口臭のご相談のなかでも特に多いものです。
先に結論を書きます。胃からくるにおいを短期間で減らすなら、順番は3つです。胃に食べものが留まる時間を短くする、胃の動きを助ける、そして口の中の原因が混ざっていないかを確かめる。市販薬や胃薬はこのうち2番目に効きますが、1番目と3番目を放置すると翌週には戻ります。
ヨーグルトについてもよく聞かれます。腸には意味がありますが、胃のにおいに対しては期待するほどではありません。ここでは何がどこまで効くのかを、根拠と限界を分けて整理します。
先にやること3つと、胃のにおいが上がってくる経路
結論: 胃に留まる時間を短くする、胃の動きを助ける、口の中の原因を除く。この3つを同時に進めるのがいちばん早い形です。なお胃の入口はふだん閉じているため、においが口へ直接上がる量は多くありません。
胃に留まる時間を短くし、動きを助ける
においの元は、胃に長く残った食べものが変化して生まれます。留まる時間が短くなれば、元が減ります。1回の量を減らす、脂肪の多いものを夜に寄せない、就寝の3時間前に食事を終える。この3つは薬を使わずにできて、しかも変化が早く出ます。
3つ全部でなくて構いません。1つ試して差が出るかを見る形なら、何が効いたのかも分かります。早い方なら1週間で気づきます。
減らすだけでは、片づかない場合があります。
動きが落ちている胃に食べものだけ減らしても、残るものは残ります。市販の消化薬や胃腸薬、体質に合った漢方薬が働くのはここです。
ただし動かす方向と休ませる方向があり、取り違えると効きません。
食べすぎで止まっているのか、力が落ちて動かないのか。ここが分かれ道です。
食欲があるのに重いなら前者、食欲そのものがないなら後者に寄ります。見分けは、この1問でおおよそ付きます。
口の中の原因が混ざっていないか|すすいでも消えない理由
胃だと思っていたにおいが、実際には舌の苔や歯周病だったという例は珍しくありません。胃の対処だけを重ねても変わらないときは、こちらが本命です。歯科で一度確かめると、迷いが減ります。
舌の奥に白い苔が厚くついている、歯ぐきから血が出る、詰め物が古い。このいずれかがあれば、混ざっている可能性があります。
3か月から半年に1度、歯石を取る流れに乗せておくと、この側の条件は保てます。
すすいだのに残るのには、仕組みがあります。
血液から肺を経由して出ているにおいは、口の中を洗っても薄まりません。うがい、歯磨き、マウススプレーで一時的に隠れるだけで、10分ほどで戻ります。
これが、口の中の原因によるにおいとの決定的な違いです。
見分けるには、歯磨きの直後にどうなるかを見ます。10分で戻るなら体の内側から、しばらく消えているなら口の中からです。
この1点だけで、手をつける場所が変わります。
げっぷで上がる分と、腸の状態も呼気に出ること
胃と食道のつなぎ目がゆるんでいる方では、げっぷに乗って直接上がる分もあります。食後に強くなる、前かがみで強くなるという方はこちらが混ざっています。この場合は姿勢と食後の過ごし方を変えるだけで、はっきり減ります。
食後すぐに横になる、前かがみで作業する。この2つをやめるだけで差が出ます。
寝るときに上半身を高くするのも同じ方向です。枕を重ねるのではなく、敷布団の下に何かを挟んで体ごと傾ける形が効きます。
出どころは、その1つ下にもあります。
胃だけでなく、腸で作られたガスも血液を通って呼気に出ます。便秘が続くとにおいが強くなるのはこのためで、胃の対処だけでは足りない方がいるのはここに理由があります。
一日中においが変わらないという方は、こちらが主のことがあります。時間帯で強さが動かないのが目印です。
便が3日以上出ていない日が続いているなら、まずそこを整えるほうが早く進みます。胃薬を重ねても届きません。
市販薬で治るのかと、胃薬で治った人に起きていたこと
結論: 市販薬は胃の動きや消化を助ける目的で使えますが、口臭そのものを消す薬ではありません。胃薬で治ったという方の多くは、もともと胃の動きが落ちていて、食べものが長く留まっていた方です。
消化を助けるタイプ/胃の動きを助けるタイプ
消化酵素を含む胃腸薬は、食べものが胃に留まる時間を短くする方向に働きます。脂っこいものを食べた日、食べすぎた日に使うと、翌朝のにおいが違うと感じる方がいます。毎日飲み続ける薬ではありません。
毎日必要な状態なら、食べ方のほうに手を入れる場面です。薬で押し切ると、条件は変わらないまま続きます。
宴席が続く時期だけ使う、といった区切り方が向いています。
もう1つは、押し出す側を支えるものです。
みぞおちのつかえ、食後すぐの満腹感がある方には、動きを助けるタイプが向きます。ただし市販で選べるものは作用が穏やかで、動きの落ち方が大きい方には物足りないことがあります。
2週間ためして変わらないなら、医療機関で相談する形になります。市販の範囲で粘っても、届く量が違います。
食後すぐに満腹になる、少量で苦しくなるという方は、この側に当てはまります。
酸を抑えるタイプは相手を選ぶ|14日で切り替える
胸やけや酸っぱさを伴うなら意味があります。一方で、酸が足りていない方が酸を抑えると、消化がさらに落ちてにおいが強くなることがあります。
酸を抑える薬をとりあえず飲んでみる、という使い方はすすめられません。
胸やけがあるかどうかが、いちばん分かりやすい分かれ目です。ないのに使うと、方向が逆になります。
飲み始めてから食後の重さが増したなら、そこが合図です。数日で分かる変化なので、判断はしやすいところです。
どこで見切るかも、先に決めておきます。
市販薬は目安を決めて使うほうが失敗しません。14日使って変化がなければ、薬の種類か、そもそもの見立てが合っていないと考えて次に移ります。
期限を決めずに始めると、なんとなく続けたまま何か月も過ぎます。買い足すたびに判断が先送りされるためです。
14日という長さは、日々のばらつきに紛れない範囲です。数日では偶然かどうか分かりません。
変わったかどうかは、朝のにおいで比べる形にします。
治った人に共通する背景|戻る人との違いと、判定のしかた
食後の重さ、食欲の低下、みぞおちのつかえ。この3つがそろっていた方は、胃薬で変わる可能性が高くなります。逆にこれらがまったくない方が胃薬を飲んでも、効く場所がありません。
3つのうち2つ以上そろっていれば、試す価値があります。1つもないなら、原因は別のところです。
においが気になるという一点だけで胃薬を選ぶと、この見極めが飛ばされます。まず自分に当てはまるかを確かめる順序です。
一方で、続かなかった方もいらっしゃいます。
薬をやめたら戻った、という声もよく聞きます。食べ方が変わっていないまま薬だけで抑えていた場合は、やめれば元に戻ります。
薬は時間を稼ぐもので、条件を変えるのは食べ方のほうです。
薬を飲んでいる期間に、食べ方を1つだけ変えておく。この形なら、やめたあとも残ります。
両方を同時に始めると、どちらが効いたのか分かりません。それでも構わない場合は、同時で差し支えありません。
変わったかどうかは、測り方を決めると分かります。
判定は朝起きたときのにおいで比べるのが確実です。日中は飲食や歯磨きの影響が入るため、比較になりません。起床直後、水を飲む前の状態を7日ごとに見ると、変化の方向が読めます。
判定は、手のひらに息を吐いてかぐ方法で足ります。ただし自分の嗅覚は自分のにおいに慣れるので、材料のひとつとして扱う程度にとどめます。
同居している方に聞ければ、そちらのほうが確かです。
ヨーグルトは効くのか
結論: ヨーグルトは腸の状態を整える方向には働きますが、胃のにおいを直接減らすものではありません。効くとしても腸を経由した分で、時間もかかります。
期待されているのは乳酸菌の働き|出るとしても遅れて出る
ヨーグルトを勧める話の根拠は、乳酸菌が腸内の環境を整えるという点にあります。腸で作られるガスが減れば、呼気に出る分も減ります。理屈としては通っていますが、胃で起きていることには直接手が届きません。
腸が主のにおいなら意味があります。胃が主なら、そちらの対処が別に要ります。
一日中においが変わらない方は前者、食後に強くなる方は後者に寄ります。まず自分がどちらかを決める順序です。
動くとしても、すぐには出ません。
腸の状態が変わるには時間がかかります。30日から60日は続けないと、変化として感じられないのが実際です。3日食べて変わらないから意味がない、という判断は早すぎます。
判断の時期を決めてから始めると、途中で迷わずに済みます。30日という区切りを持っておくだけで足ります。
便通が先に変わることが多くみられます。においより先にそちらが動いていれば、方向は合っています。
逆に重くなる方がいる|食べるなら夜より朝
乳製品でお腹が張る、ゴロゴロするという方がヨーグルトを増やすと、腸のガスがむしろ増えます。この場合はにおいも強くなるため、合わないと感じたら量を減らしてください。
乳製品でお腹が張るかどうかは、7日ほど外して様子を見れば分かります。同時に2つ外すと、どちらが効いたのか読めません。
合わない場合は、発酵食品でも別の種類に替える手があります。納豆や味噌汁でも同じ方向は狙えます。
食べる時間帯にも、向き不向きがあります。
胃に食べものが残ったまま眠る時間を減らす、という原則からは、夜に足すのは向きません。朝か日中に少量とるほうが理にかなっています。量も、たくさん食べれば早く効くというものではありません。1日に小さめの1つで足ります。
冷蔵庫から出したばかりのものは、胃の動きを落とします。少し置いてからのほうが向いています。
夜に食べる習慣がある方は、朝に移すだけで試せます。足すものを増やさずに済みます。
胃が腐ったようなにおいがすると感じるとき
結論: 胃そのものが腐ることはありません。感じているにおいは、留まった食べものが変化して生まれた成分によるもので、胃の状態が悪いことの合図ではあっても、腐敗そのものではありません。
腐っていると感じる理由|感じる強さと実際はずれる
においの質が、生ゴミや排水口に近いものになるためです。たとえるなら、シンクの三角コーナーに一晩置いた状態で、中身そのものが腐っているというより、置かれた時間が長すぎた結果です。胃の場合、その時間を決めているのは動きの速さです。
中身を減らすか、動きを速めるか。手は2つしかありません。
どちらから入るかは、食欲があるかどうかで決まります。食べられているのに重いなら、まず量のほうです。
ただ、思っている量とは合いません。
自分では強烈に感じているのに、周囲は気づいていないという例はよくあります。呼気は自分の鼻に近いところを通るためで、不安が強いほどこの差は大きくなります。家族に率直に聞いてみると、想定と違うことがあります。
聞くのは気が重いところですが、1回聞けば済みます。実際には気づいていなかった、という答えが返ることも多くあります。
人と話すときに相手が下がる、といった反応を根拠にしている方もいらっしゃいます。これは当てになりません。
強いにおいが急に出たときは確かめる
これまでなかったにおいが急に出て、体重が減った、食事がつかえる、黒い便が出たといった症状が重なるときは、においの対処より先に医療機関で確かめてください。ここは自分で粘る場面ではありません。
数週間のうちに急に始まった、これまでとは質が違う。この2点が手がかりです。ゆっくり出てきたものとは扱いが変わります。
体重が落ちているかどうかは、数字で確かめられます。半年前と比べて何キロ違うかを見る形です。
においの出方で原因を切り分ける
結論: 起床時だけか、食後に強いか、一日中かで、原因のありかがおおよそ分かれます。表のどの行に当てはまるかで、次に手をつける場所が決まります。
出方と原因の対応を1枚で見る|2つ以上に当てはまるとき
においがいつ強くなるかは、原因を分ける手がかりのなかでいちばん紛れが少ない部分です。時間帯には本人の思い込みが入りにくく、記録すればそのまま材料になります。
下の表は、強くなる場面ごとに疑うところと先に変えるものをまとめたものです。7日ぶん記録してから見ると、自分がどの行に当たるかが決まります。強く感じた時刻だけを書き留める形で足ります。
| 強くなる場面 | 疑うところ | 先に変えるもの |
|---|---|---|
| 起床直後だけ | 唾液の減少・口の中 | 就寝前の歯みがきと水分 |
| 食後1〜2時間 | 逆流・胃の動きの低下 | 食後の姿勢と1回の量 |
| 空腹時に強い | 胃酸と胃の状態 | 食事の間隔を空けすぎない |
| 一日中変わらない | 腸・全身の状態 | 便通と睡眠 |
| 緊張したときだけ | 唾液の減少 | 水分と噛む回数 |
1つに絞れない方のほうが多くいらっしゃいます。
複数に当てはまる方が多数派です。その場合は、いちばん強い場面の行から手をつけるほうが早く進みます。全部を同時に変えようとすると、どれが効いたのか分からなくなります。
主のほうから始めて、変化が止まったところで次に移る形が確実です。順番を決めておくと、迷いません。
どれがいちばん強いかは、7日ぶんの記録があれば決まります。感覚だけで決めると、直近の印象に引きずられます。
7日ごとに1つだけ変える|家族に協力してもらう
変えるものを1つに絞り、7日試して記録する。地味な方法ですが、原因が分かれば以後は迷いません。7日というのは、日々のばらつきに紛れない最短の長さです。3日では偶然かどうか判断できません。
変えるものは、表の先に変えるものの欄から選びます。自分で考える必要はありません。
1つ試して差が出なければ、それも情報です。当たらない選択肢が1つ減ったということになります。5週間あれば、5つ確かめられます。
判定は、自分ひとりでは閉じません。
自分の呼気は正確に判定できません。同居している方に、朝と夕方の2回だけ確かめてもらうと、記録の精度が変わります。
頼みにくい場合は、1週間だけと期限を切る形が伝えやすくなります。
判定は3段階で足ります。気にならない、少し気になる、はっきり気になる。この程度なら、相手の負担も軽く済みます。
自分の感覚と家族の判定がずれることは、よくあります。ずれていること自体が、判断の材料になります。
胃の動きが落ちているときの漢方薬
結論: 胃の動きが落ちて食べものが留まる型では、動きを助ける方向の漢方薬が使われます。体力が落ちているのか、水が溜まっているのか、熱がこもっているのかで選ぶものが変わります。
疲れやすく食欲が落ちているとき/食べすぎ飲みすぎが重なるとき
六君子湯(りっくんしとう)の添付文書には、効能・効果として「胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいもの」という体質の記載があります(医薬品医療機器総合機構の添付文書情報)。食後の重さと疲れが同時にある方に向く漢方薬です。
食欲そのものが落ちている方が対象で、食べすぎている方には向きません。
入れすぎている側には、別の1本があります。
平胃散(へいいさん)は、添付文書で「胃がもたれて消化不良の傾向のあるもの」を対象としています(医薬品医療機器総合機構の添付文書情報)。宴席が続いた時期や、脂っこい食事が多い方に使われます。
補う方向ではなく、たまったものをさばく方向の組み立てです。食欲が落ちている方に使うと、さらに落ちることがあります。
時期を区切って使う漢方薬でもあります。宴席が続く月だけ、といった使い方が向いています。
みぞおちのつかえと軟便/体力があり便秘が強いとき
胃のつかえに加えて、お腹が鳴る、便がゆるいという方には半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)が使われます。においと便通の両方が気になる方に合うことがあります。
上は熱がこもり、下は冷えているという形を同時に扱う組み立てです。片方だけに手を入れると、もう片方が崩れます。
食後にお腹が鳴る、緊張すると下すという方も同じ側に寄ります。
下のほうが詰まっている場合も分けて考えます。
体力があって便秘が続き、においが一日中変わらない型では、腸から動かす方向を選びます。ここで胃を補う漢方薬を使うと、腸に溜まったものはそのままです。
お腹に力があり、押すと張っているという点が目印になります。便が3日以上出ていないことも条件に入ります。
下痢をしやすい方や体力が落ちている方には向きません。同じ便秘でも、方向が変わります。
補うか、動かすかを取り違えない
胃が弱っているのだから補えばよいと思われがちですが、食べすぎで動きが止まっている方に補う漢方薬を使うと、かえって重くなります。
弱って動かないのか、詰まって動かないのか。この見極めが最初の分かれ道です。
食欲があるかどうかで、おおよそ分かれます。食べたいのに重いなら詰まっている側、そもそも食べたくないなら弱っている側です。
迷うときは、量を減らして数日過ごしてみます。それで楽になるなら、詰まっている側です。
食べ物で減らせること、増やしてしまうもの
結論: 減らすべきは、胃に長く留まるものと、においの成分をそのまま持ち込むものの2種類です。増やすとよいのは、噛む回数と、食事の間隔を空けすぎないことです。
胃に長く留まるもの/においをそのまま持ち込むもの
脂肪の多い肉、揚げもの、生クリーム。これらは胃に留まる時間がほかの食材より長く、夜に食べると翌朝まで残ります。同じ量でも、昼に食べれば翌朝への影響はかなり減ります。
やめる必要はありません。食べる時刻を動かすだけで済みます。
夜にどうしても食べたい日は、量を半分にして、就寝までの時間を長く取る形にします。全部を我慢するより続きます。
もう1種類は、そのものが移るタイプです。
にんにく、にら、玉ねぎに含まれる成分は、消化されたあと血液を通って肺から出ます。歯磨きで消えないのはこのためで、口の中の問題ではありません。翌日に人と会う予定があるなら、前夜は避けるのが確実です。
残る時間は、食べた量と人によって差があります。半日で抜ける方もいれば、翌日の夕方まで残る方もいらっしゃいます。
自分がどちらかは、数回試せば見当が付きます。分かっていれば、予定に合わせて調整できます。
食物繊維は増やしてよい|噛む回数と、抜くほうへ振らない
腸に溜まったものが減れば、呼気に出るガスも減ります。海藻、きのこ、根菜を1日1品足すところから始めると続きます。ただし便秘が強い方が急に増やすと張りが出るため、水分と一緒に増やしてください。
増やす速さは、1日1品ずつが目安です。一度に何品も足すと、お腹の張りが出ます。
水分は、1日に何杯飲んだかを数えると分かりやすくなります。増やした食物繊維に見合う量が入っているかが要点です。
買わずにできることもあります。
噛めば唾液が増え、食べものは細かくなり、胃に留まる時間が短くなります。いわば、入口で下ごしらえを済ませてから胃に渡すようなもので、胃の負担が目に見えて変わります。
1口30回は多く感じますが、最初の3口だけ意識するところから始まります。
回数を数えるのが続かない方は、献立のほうを変える手もあります。食材を大きめに切る、根菜を1品足す。これだけで回数は自然に増えます。
一方で、減らす方向に振りすぎると裏目に出ます。
胃を空にすれば掃除されると思われがちですが、空腹の時間が長いと胃酸だけが残り、別のにおいが出ます。休ませるなら量を減らすほうで、抜くほうではありません。
食事の間隔が空きすぎると、胃酸だけが残ります。空腹時ににおいが強くなる方は、ここが当てはまります。
1回の量を7割にして、回数は保つ。この形なら胃の負担は減り、空の時間も長くなりません。
受診で確かめておくものと、やってはいけない対処
結論: 胃の対処を続けても変わらないときは、胃そのものの状態と口の中の状態の両方を確かめます。あわせて、においを覆う方向と胃を空にし続ける方向の2つは、胃からくる口臭では裏目に出ます。
内科で確かめること/歯科で確かめること
胃の内側の状態、逆流の有無、菌の感染の有無。においが強く、食欲や体重にも変化があるなら、この3つは確かめておく価値があります。
菌の感染は、除くことができるものです。放っておく理由がありません。
逆流の有無も、確かめれば対処が決まります。姿勢と食後の過ごし方だけで変わる方もいらっしゃいます。
異常がないと分かれば、そのあとは体質から整える方向に進めます。除外するための検査という位置づけです。
もう一方の窓口でも、見てもらう項目があります。
歯周病、詰め物の下の虫歯、舌の状態。胃が原因だと思い込んで歯科を後回しにすると、遠回りになります。
舌の苔は、自分では厚さの判断がつきません。見てもらえば、その場で分かります。
詰め物の下の虫歯は、痛みが出ないまま進むことがあります。古い詰め物が多い方ほど、確かめる価値があります。
歯石を取るだけで変わる方もいらっしゃいます。においを気にして飲み物やタブレットを試し続けるより、この1回のほうが確実です。
どちらも異常がなかったとき
検査で異常がないのににおいが続く方は少なくありません。数値に表れない段階の傾きとして見立て直せるのが、体質から整える方法の役目です。
異常なしという結果は、重いものが隠れていないと確かめられたという意味では価値があります。そのうえで、残った困りごとをどう扱うかという段階に進みます。
気のせいだと片づける必要はありません。困っている事実のほうは動いていません。
裏目に出る4つ|香りで覆う・欠食・舌をこする・サプリ頼み
ミントやフレーバーの強いものは、胃からのにおいと混ざると質が悪くなります。隠れるのは10分ほどで、そのあとはかえって気になります。
人と会う直前という場面では、それでも役に立ちます。使い分けが要るのは、毎日の状態を変えたいときです。
糖分を含むものは、口の中の環境を悪くします。使うなら糖分を含まないものを選ぶ形になります。
2つめは、抜く方向です。
食べなければにおいが減ると考えて欠食する方がいますが、胃酸だけが残ると別のにおいが出ます。空腹の時間を長くするのではなく、1回の量を減らして回数を保つほうが向きます。
朝食を抜いている方は、そこがいちばん空く時間になります。前夜から昼までとなると、半日以上です。
おにぎり半分やバナナ1本といった程度で足ります。抜くより入れるほうが、この目的には合っています。
3つめは、こすりすぎです。
苔を取ろうとして強くこすると、粘膜が傷んで乾きます。乾けばにおいは強くなります。1日1回、奥から手前へ軽く数回で十分です。
歯ブラシの毛先で代用すると、力が一点に集まって傷つきやすくなります。専用のブラシを使うほうが安全です。
白い苔は1回で全部取れるものではありません。数日かけて薄くしていく形が向いています。痛みを感じたら、その日はそこで終わりにします。
4つめは、外から足すだけで済ませることです。
一時的に感じ方が変わるものはありますが、元が減っていなければ続きません。使うなら、食べ方の見直しと並行してください。
覆う道具と、原因に向かう手当ては別のものとして扱います。両方あってよいのですが、役割が違います。
毎月の費用が積み上がるという面もあります。同じ額を使うなら、歯科の検診や検査に回すほうが、確かめられることが多くなります。
何を試したかを書き留めておくと、同じものを繰り返さずに済みます。
改善症例|胃からくる口臭が軽くなった2例
45歳女性 智世さん|市販の胃薬で一時的に消え、食べ方の見直しで戻らなくなったケース
歯科では問題がないと言われ、市販の胃腸薬を飲むと数日だけ楽になるが、やめると戻るとご相談を受けました。夕食が22時過ぎで、脂っこいものが続き、食後すぐ横になる習慣がありました。夕食の時間を20時までに寄せ、1回の量を7割にする2つを7日ごとに確認していただいたところ、14日目で朝のにおいが変わっています。食後の重さと疲れやすさが強かったため六君子湯を併用し、60日で市販薬を使わずに済むようになりました。
52歳男性 伊織さん|ヨーグルトを増やしても変わらなかったケース
腸によいと聞いて毎晩ヨーグルトを食べていたものの、においは変わらず、むしろお腹の張りが増したとのことでした。乳製品でお腹が張りやすい体質で、夜に食べていたことも重なっていました。ヨーグルトを朝の少量に変え、便秘があったため腸から動かす方向の漢方薬に切り替えています。30日でお腹の張りが取れ、90日でご家族からの指摘がなくなりました。良いと言われるものが自分に合うとは限らない、と本人が納得された例です。
よくある質問
Q. 胃からくる口臭は市販薬で治りますか?
A. 元が減る条件が整っていれば軽くなります。 市販薬は消化や胃の動きを助けるもので、においそのものを消す薬ではありません。食べ方を変えずに薬だけを続けると、やめたときに戻ります。
Q. ヨーグルトを食べれば胃の匂いは消えますか?
A. 胃に直接は届きません。 効くとすれば腸を経由した分で、30日から60日は続けないと変化として感じられません。乳製品でお腹が張る方は量を減らしてください。
Q. 胃薬を飲んで口臭が治った人がいるのはなぜですか?
A. もともと胃の動きが落ちていた方だからです。 食後の重さ、食欲の低下、みぞおちのつかえがあった方は変わる可能性が高くなります。これらがない方が飲んでも、効く場所がありません。
Q. 胃が腐っているのではないかと心配ですが、実際にそんなことは起こりますか?
A. 胃そのものが腐ることはありません。 感じているのは、留まった食べものが変化して生まれた成分です。ただし体重の減少や黒い便を伴うときは、においとは切り離して受診してください。
Q. どのくらいで変化が出ますか?
A. 食べ方の見直しは7日から14日、漢方薬は30日から60日が目安です。 朝起きたときのにおいで7日ごとに比べると、方向が読み取れます。
Q. 家族には臭くないと言われるのに、自分では気になるのはなぜですか?
A. 呼気は自分の鼻の近くを通るため、実際より強く感じます。 不安が強いほどこの差は大きくなります。朝と夕方の2回だけ確かめてもらう方法で、感覚と実際のずれを埋められます。
まとめ|薬は時間を稼ぐもの、条件を変えるのは食べ方
胃からくる口臭は、原因の場所がはっきりしている分、手の打ちようがあります。
- 消す順番は、留まる時間を短くする・胃の動きを助ける・口の中を確かめるの3つ
- 市販薬と胃薬は2番目に働く。14日使って変わらなければ見立てを変える
- ヨーグルトは腸を経由した分だけ。30日から60日かかり、合わない方もいる
- 起床時か食後か一日中かで、原因のありかがおおよそ分かれる
- 覆う、抜く、こする。この3つの対処はいずれも裏目に出る
自分で感じるにおいの強さは、実際より大きく出ます。1人で抱え込むより、出る場面を記録して持ってきていただくほうが、判断は早く進みます。れいわ漢方薬局では、においの出方と胃腸の状態を確かめたうえで、合う漢方薬をご提案しています。


