自律神経失調症が漢方で治ったという声は本当?改善までの道のり

自律神経失調症が漢方で治ったという声は本当?改善までの道のり 自律神経

「体験談を読むと治ったと書いてあるが、自分は3か月飲んでも変わらない」「本当に漢方薬で良くなるのか」――こうしたご相談を、当薬局でもよくいただきます。

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結論からお伝えすると、体験談で語られる治ったという言葉には、幅があります。症状がゼロになった方もいれば、日常生活に支障がなくなった段階を治ったと表現している方もいます。

当薬局では、何がどこまで変われば十分かを最初に決めていただきます。ここが曖昧なままだと、良くなっていても実感できません。

  1. 治ったという言葉の幅
    1. 症状がゼロになった場合
    2. 支障がなくなった場合
    3. 薬を減らせた場合
    4. 何を目標にするか先に決める
  2. 体験談を読むときの注意点
    1. どのタイプだったか
    2. どのくらいの期間か
    3. 他に何をしていたか
    4. 数字が書かれているか
  3. 改善までの現実的な道のり
    1. 最初の2週間|量が合うかを見る
    2. 2週間から1か月|胃腸と日中が動く
    3. 1か月から3か月|主な症状が動く
    4. 3か月から1年|安定する
  4. 良くなった方に共通すること
    1. 記録を取っている
    2. 生活側も変えている
    3. 目標を数字にしている
    4. 途中で見直している
  5. 良くならなかった場合に考えること
    1. 見立ての方向が違っている
    2. 飲み方が足りていない
    3. 生活側の負荷が大きすぎる
    4. 別の病気が背景にある
  6. 症状が戻ることについて
    1. 完全に戻るとは限らない
    2. 季節で変わる
    3. 減らした後に戻った場合
    4. 生活側で何が変わったか
  7. やめどきの考え方
    1. 減らす前に安定を待つ
    2. 段階的に減らす
    3. 甘草を含むものは早めに見直す
    4. 完全にやめなくてもよい
  8. 何が変わったかを言葉にする
    1. 慣れてしまうから気づけない
    2. 記録が比べる相手になる
    3. 家族に聞いてみる
    4. できるようになったことを書く
  9. 焦りが回復を遅らせる場面
    1. 次々と試してしまう
    2. 一度に複数を始める
    3. 治らないことへの不安が症状を強める
    4. 良くなる速さは人によって違う
  10. 医療機関の治療との関係
    1. 睡眠薬・抗不安薬との併用
    2. 減らせた方の共通点
    3. 検査を受けておく
    4. 記録は両方で使える
  11. 目標の決め方|5つの手順
    1. 順番に決める
    2. 週5日を週2日に
    3. 判断する日を先に決める
    4. 目標に届かなくても前進はある
  12. 改善症例|1年かけて安定した2例
    1. ケース1:45歳女性|生活側を変えて動いた
    2. ケース2:51歳女性|方向を変えて動いた
  13. よくある質問
    1. Q. 漢方で自律神経失調症は治りますか?
    2. Q. どのくらいの期間がかかりますか?
    3. Q. 3か月飲んでも変わりません。続けるべきですか?
    4. Q. 良くなった後、また戻ることはありますか?
    5. Q. 体験談はどこまで参考にできますか?
  14. まとめ

治ったという言葉の幅

結論: 症状がなくなった、日常が回るようになった、薬を減らせた。同じ言葉でも指しているものが違います。

症状がゼロになった場合

めまいも動悸も出なくなり、以前と同じように過ごせる。これを治ったと表現するのが最も分かりやすい形です。

ただし、この状態に到達する方が全員ではありません。飲めば元通りになると思われがちですが、長い時間をかけて崩れたものが数週間で戻ることはまずありません。

支障がなくなった場合

症状は時々出るが、仕事も生活も普通にできる。この段階を治ったと表現する方も多くいらっしゃいます。

目標をここに置くほうが現実的な場面が実際にあります。ゼロを目指すと、いつまでも達成できません。

薬を減らせた場合

睡眠薬や抗不安薬を減らせた、あるいはやめられた。これを改善の指標にする方もいます。

何を目標にするか先に決める

飲み始める前に、何がどう変われば続ける価値があると考えるかを言葉にしておきます。これがないと、3か月後に判断できません。

体験談を読むときの注意点

結論: 背景が書かれていない体験談は、自分に当てはめられません。3つの条件を確かめます。

どのタイプだったか

自律神経失調症という言葉でくくられていても、めまいが主な方と不眠が主な方では、まったく違う状態です。

同じ診断名でも、飲んだ漢方薬が違えば参考になりません。対象となるのは、自分と同じタイプの方の話だけです。

どのくらいの期間か

3か月で治ったという体験談と、2年かかったという体験談では、期待の置き方が変わります。期間が書かれていない話は、判断材料になりません。

他に何をしていたか

漢方薬だけで良くなったのか、生活も変えたのか、医療機関の治療も受けていたのか。ここが書かれていないと、何が効いたのか分かりません。

睡眠時間を戻した、仕事の負荷を減らした。こうした変化が同時に起きていることは珍しくありません。

数字が書かれているか

だるさが軽くなったという言葉より、週5日つらかったものが週2日になったという数字のほうが、比べられる形になっています。

改善までの現実的な道のり

結論: 胃腸、日中の様子、めまい、眠り。この順で動くことが多く、全体では3か月から1年かかります。

最初の2週間|量が合うかを見る

胃が重くない、むくまない、下痢しない。この段階で見るのは、飲み続けられるかどうかだけです。

症状の変化を期待する時期ではありません。

2週間から1か月|胃腸と日中が動く

食欲が戻る、みぞおちのつかえが軽くなる、朝の起き上がりが楽になる。ここが最初の手ごたえになります。

眠りやめまいはまだ動きません。この時期に判断すると、合っていたものまで手放します。

1か月から3か月|主な症状が動く

めまいの出る日数が減る、動悸を感じる回数が減る、眠りが安定してくる。ここでようやく、続けるかどうかを判断できます。

3か月から1年|安定する

症状が出ない期間が延びていきます。負荷がかかったときに一時的に戻ることはありますが、以前より早く回復するようになります。

この段階で、量を減らす相談ができます。

時期 見るもの 判断できること
最初の2週間 胃の様子、むくみ 量が合っているか
2週間〜1か月 食欲、日中の疲れ方 方向が合っているか
1〜3か月 主な症状の回数 続けるかどうか
3か月〜1年 症状が出ない期間 減らせるかどうか

良くなった方に共通すること

結論: 記録を取っている、生活も変えている、目標を数字にしている。この3つが揃うと進みが違います。

記録を取っている

つらさの度合いは記憶で語ると当てになりません。良かった日は忘れ、つらかった日だけ覚えているためです。

週に何日つらかったか、めまいが出た回数。数えられる形にしている方は、動いているかどうかを自分で判断できます。

生活側も変えている

飲むものだけを足して、睡眠も負荷も変わらないまま。この形では、支えられる範囲に限りがあります。

漢方薬で押し切ろうとせず、減らせる負荷を減らした方のほうが早く進みます。

目標を数字にしている

良くなりたいという言葉だけでは、達成したかどうかが分かりません。週5日つらいのを週2日にする、といった形にすると判断できます。

途中で見直している

同じものを漫然と続けるのではなく、3か月ごとに記録を並べて組み立てを見直している。この繰り返しが結果を作ります。

良くならなかった場合に考えること

結論: 見立ての方向、飲み方、生活側の負荷、別の病気。この4つを順に確かめると、多くの場合は当たりが見つかります。

見立ての方向が違っている

高ぶって眠れない方に補う方向を使う、消耗している方に抑える方向を使う。この取り違えは実際によくあります。

同じ症状でも方向が正反対になるため、ここを外すと何か月飲んでも変わりません。

飲み方が足りていない

夜だけ飲んでいる、規定より少ない量にしている、飲み忘れが週の半分ある。いずれも3か月続けたことにはなりません。

記録を見返して、実際に何日飲めたかを確かめてください。

生活側の負荷が大きすぎる

夜勤が続く、介護で睡眠が細切れになる、長時間労働。こうした状況では、飲むものだけで整えるのは無理があります。

漢方薬が合っていないのではなく、支えられる範囲を超えているという状態です。たとえるなら、穴の空いた容器に水を注ぎ続けているようなものです。

別の病気が背景にある

甲状腺の働きの低下、貧血、睡眠時無呼吸、うつ状態。これらは似た症状を起こします。

3か月で何も動かないなら、医療機関での確認が要る段階です。

症状が戻ることについて

結論: 良くなった後に戻ることはあります。ただし、戻り方が変わっていれば前進しています。

完全に戻るとは限らない

負荷がかかった時期に症状が出る。これは珍しくありません。ただし、以前は2週間続いていたものが3日で収まる、という形になっていることがあります。

同じように戻ったと感じても、期間が短くなっていれば動いています。記録があるとここが分かります。

季節で変わる

春先と梅雨、台風の時期。症状が集中する季節があります。この時期に戻るのは、失敗ではありません。

年間を通して同じ量である必要はなく、季節に合わせて調整するという考え方があります。

減らした後に戻った場合

量を減らして戻るようなら、1つ前の段階に戻して期間を置きます。減らすのが早すぎただけです。

戻せる前提で減らすと、失敗しても困りません。

生活側で何が変わったか

戻った時期に、生活側で何が変わったかを確かめます。仕事の量、睡眠、家族の状況。

引き金が分かると、次に同じことが起きたときの手が読めます。

やめどきの考え方

結論: 症状が出ない期間が延びてきたら、段階的に減らします。急にやめると戻ることがあります。

減らす前に安定を待つ

症状が落ち着いてから、さらに1か月から2か月は同じ量で続けます。安定したところで減らし始めます。

段階的に減らす

1日3回を2回に、2回を1回にと段階を踏みます。1段階につき2週間ほど置いて、記録を見ながら進めます。

戻るようなら1つ前に戻します。

甘草を含むものは早めに見直す

抑肝散(よくかんさん)、加味帰脾湯(かみきひとう)、加味逍遙散(かみしょうようさん)。いずれも甘草を含みます。

長く飲むほどむくみや血圧の上昇が出やすくなるため、必要がなくなったら早めに減らすという姿勢が要ります。

完全にやめなくてもよい

負荷が増える時期だけ戻す、という使い方もあります。年間を通して飲み続ける必要はありません。

何が変わったかを言葉にする

結論: 良くなった実感は、比べる相手がないと生まれません。3か月前と並べる作業が要ります。

慣れてしまうから気づけない

体調が少しずつ戻ると、それが当たり前になります。3か月前がどれだけつらかったかを、人は忘れます。

良くなっているのに実感がないという訴えは、この構造から来ています。

記録が比べる相手になる

3か月前の記録を見ると、週5日つらかったことが数字で残っています。いま週2日なら、はっきり動いています。

記憶で振り返ると、良かった日は忘れてつらかった日だけが残るため、実際より悪い結果になります。

家族に聞いてみる

顔色、食事の量、朝の起き上がり。本人には分かりにくい部分を、家族に見てもらう形です。

当薬局でも、ご家族が気づいた変化を伺うことがあります。本人が気づく前に周りが気づく、という場面は実際にあります。

できるようになったことを書く

症状の回数だけでなく、できるようになったことも残します。買い物に行けた、休日に出かけられた、仕事を早退しない週があった。

あわせて記録すると、動いている実感が持ちやすくなります。

焦りが回復を遅らせる場面

結論: 早く治したいという気持ちが、かえって遠回りになることがあります。判断できる期間を待てるかどうかが分かれ目です。

次々と試してしまう

1か月で変わらないから別のものに変える。これを繰り返すと、どれも判断できる期間に届きません。

判断できる期間を待てないと、永久に判断できないという循環に入ります。

一度に複数を始める

漢方薬、サプリメント、運動、食事の変更。同時に始めると、何が効いたのか分かりません。

3つまでに絞り、4週間続けてから次を足すという進め方が現実的です。

治らないことへの不安が症状を強める

眠れないことを心配すると、さらに眠れなくなる。動悸を気にすると、動悸が増える。この循環は実際に起こります。

判断する日を決めておくのは、この循環を切るためでもあります。

良くなる速さは人によって違う

同じ漢方薬でも、年齢、体力、負荷の大きさによって進み方が変わります。体験談と自分を比べても、条件が違えば意味がありません。

医療機関の治療との関係

結論: 併用は珍しくありません。どちらかを選ぶ必要はなく、両方が支えになるという考え方で構いません。

睡眠薬・抗不安薬との併用

飲みながら漢方薬を併せる方は多くいらっしゃいます。相互作用が問題になることは多くありません。

ただし、自己判断で西洋薬をやめるのは避けてください。減らす判断は処方した医師が行います。

減らせた方の共通点

日中の疲れが軽くなり、食欲が戻り、薬を飲んでも飲まなくても寝つきが変わらない日が出てくる。この段階で相談されている方が多い印象です。

早くても3か月、多くは半年ほどかかります。

検査を受けておく

甲状腺の働き、貧血、血糖。これらは似た症状を起こすことがあり、血液検査で分かります。

異常なしと言われた検査に、これらが含まれていたかを確かめる価値があります。

記録は両方で使える

医療機関でも、症状が出た日と程度の記録があると話が進みやすくなります。だるいという言葉より、週に何日という数字のほうが伝わります。

目標の決め方|5つの手順

結論: 飲み始める前に決めておくと、3か月後に自分で判断できます。決めていないと、良くなっても実感できません。

順番に決める

  1. いま最もつらい症状を1つ挙げる
  2. その症状が週に何日出ているかを1週間数える
  3. 何日になれば十分かを決める(ゼロにしない)
  4. 判断する日をカレンダーに入れる(90日後)
  5. その日まで記録だけを続ける

3番目でゼロを設定しないのが要点です。ゼロを目標にすると、良くなっていても達成できません

週5日を週2日に

たとえば、めまいが週5日出ているなら、週2日になれば十分という置き方をします。これなら3か月後に判断できます。

判断する日を先に決める

途中で不安になったときに毎回考え直すと、そのたびにやめる理由を探すことになります。日を決めておけば、それまでは記録に集中できます。

目標に届かなくても前進はある

週5日が週4日になっただけでも、動いてはいます。目標に届かなかったからやめる、という判断にはなりません。

組み立てを見直して、もう1つ手を足す段階です。

改善症例|1年かけて安定した2例

結論: 短期で結果が出る方もいれば、時間をかけて安定する方もいます。当薬局で伺った2つのケースをご紹介します。

ケース1:45歳女性|生活側を変えて動いた

症状: めまいと動悸で3か月飲んだが変わらないとご相談をいただきました。記録では、症状は週5日ほど出ていました。

アプローチ: 生活を伺うと、睡眠が5時間を切る日が週の大半でした。飲むものは方向を保ったまま、まず睡眠を1時間増やすことを2か月お願いしています。

経過: 睡眠を戻した4週間で症状が週3日に減り、8か月後には週1日まで下がりました。漢方薬が効いていなかったのではなく、支えられる範囲を超えていた例です。

ケース2:51歳女性|方向を変えて動いた

症状: のぼせと不眠で冷ます方向の漢方薬を4か月飲んだが、のぼせは軽くなったものの足の冷えとだるさが増したとのご相談でした。

アプローチ: 顔は熱いのに足は氷のように冷たく、冷ますだけでは合っていませんでした。巡らせる方向を土台にした煎じ薬へ切り替えています。

経過: 4週間で足の冷えが軽くなり、1年後にはのぼせも不眠も落ち着いて量を減らす段階に入りました。上下の温度差を見落としていた例です。

よくある質問

Q. 漢方で自律神経失調症は治りますか?

A. 治ったという言葉には幅があります。症状がゼロになる方もいれば、日常生活に支障がなくなる段階で落ち着く方もいます。当薬局では、何がどこまで変われば十分かを最初に決めていただきます。ゼロを目標にすると、良くなっていても実感できません。

Q. どのくらいの期間がかかりますか?

A. 主な症状が動くのに1か月から3か月、安定するまでに3か月から1年が目安です。最初の2週間で見るのは量が合っているかだけで、症状の変化を期待する時期ではありません。動く順番は、胃腸、日中の様子、めまい、眠りです。

Q. 3か月飲んでも変わりません。続けるべきですか?

A. 4つを確かめてください。見立ての方向、飲み方が足りているか、生活側の負荷、別の病気の可能性。同じものをさらに3か月続ける前に、一度整理する時期です。特に方向の取り違えは実際によくあります。

Q. 良くなった後、また戻ることはありますか?

A. あります。ただし、以前は2週間続いていたものが3日で収まるという形になっていれば、前進しています。同じように戻ったと感じても、期間が短くなっていれば動いています。記録があるとここが分かります。

Q. 体験談はどこまで参考にできますか?

A. 背景が書かれていれば参考になります。どのタイプだったか、どのくらいの期間か、他に何をしていたか。この3つが書かれていない体験談は、自分に当てはめられません。数字が入っているかどうかも判断材料になります。

まとめ

自律神経失調症が漢方で治ったという声はありますが、治ったという言葉には幅があります。症状がゼロになった方もいれば、日常生活に支障がなくなった段階を治ったと表現している方もいます。

現実的な道のりは、胃腸が2週間、日中の様子が1か月、主な症状が1か月から3か月、安定するまでに3か月から1年です。最初の2週間で見るのは量が合っているかだけで、この時期に症状の変化を期待すると判断を誤ります。

良くなった方に共通するのは、記録を取っていること、生活側も変えていること、目標を数字にしていることです。飲むものだけを足して睡眠も負荷も変わらないままでは、支えられる範囲に限りがあります。

目標を決めるとき、ゼロを設定しないのが要点です。週5日つらいのを週2日にする。この形なら3か月後に自分で判断できます。当薬局では飲み始める前にここを決めていただき、体に合わせた煎じ薬をお作りしています。何を目標にすればよいか迷ったときは、公式LINEからお気軽にご相談ください。

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れいわ漢方薬局 無料漢方相談(来店・ビデオ通話・LINEチャット)
執筆者 濵田篤秀(薬剤師)

執筆者:濵田 篤秀

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